今から備えておきたい 親のコト

回復期リハビリテーション病院ってなに?

両親の年齢が上がるにつれて、心配になるのが親の病気や将来の介護について。そんな現実と向き合うゲンキのモト世代にとって、今から必要な情報を知っておくことは、決して早いことではありません! 今回ぜひ知ってもらいたいとご紹介するのは、「回復期リハビリテーション病院」についてです。

 

回復期リハビリテーション病院ってなに?

回復期リハビリテーション病院とは、病気やケガなどで治療を受けたあと、自宅での生活に戻ることや社会復帰を目的として、集中的にリハビリテーションを受けるための病院です。この制度は2000年に新設され、2016年3月1日現在、全国で1,725病棟、計77,102床と年々増加傾向にあります。(参考:一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会ホームページより)日本全国では人口10万人に対してリハビリテーション病院の病床数は60床のところ、関東エリアでは46床と、ほかのエリアよりも少ないのが現状です。この状況では、関東圏の方は利用したいときにタイミングよく転院できるかの不安も。あらかじめ情報を集めておき、いざというときに備える必要がありそうですね。
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(参考:一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会)

どんなときに入院できるの?

回復期リハビリテーション病院は、その名のとおり「回復期」に入院することができます。

病気になった方が、発症から回復するまでの期間は3つに分けることができます。まず、症状の発症が急激で命の危機状況になるなど、全身管理を必要とする時期を「急性期」とよびます。救急病院や大学病院で治療を行うのが一般的です。つぎに、治療が功を奏し、症状が安定に向かう時期を「回復期」とよびます。さらに、退院後、機能障害の症状が安定して、家庭生活や社会生活を維持している時期を「維持期」とよんでいます。

このうち、二つ目の「回復期」を無為に過ごすと十分な回復に繋がらず、その後の生活が困難になる可能性もでてきます。そこで、回復期リハビリテーション病院で、その方に適した効果的なリハビリテーションを受けてから、自宅や社会復帰に移行することが、より望ましいとされています。

 

どんな人が入れるの?

じつは厚生労働省により、回復期リハビリテーション病院の入院対象者は下記の表のとおりに定められ、病気によって転院期間や入院期間が異なります。発症から時間が経ちすぎると、回復期リハビリテーション病院を利用したくても対象とならない場合があるので、事前に知識を得ておくことがとても大切です。
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より詳しく回復期リハビリテーション病院について調べたいと思い、今回、全国に病院を展開するカマチグループの回復期リハビリテーション病院を取材させていただくことになりました。一般の方にはあまり馴染みのないリハビリテーション病院とは、いったいどのような施設なのでしょうか?

 

江東リハビリテーション病院を取材!

ご取材させていただいたのは、2017年10月東京都江東区に開院したばかりの江東リハビリテーション病院です。都営新宿線「西大島駅」より徒歩8分という好立地に位置します。

 

7階建て全206床の病院で、病室は個室タイプと4人部屋の2タイプがあります。
4人部屋の場合も、背の高い収納棚がベッドとベッドの間に設置され、カーテンをひけば十分プライバシーが守れるような造りとなっています。
koshitu2▲  個室タイプの病室です。

 

4room▲  4人部屋タイプの病室です。

 

自立で入浴ができる方は、7階の景観が楽しめる展望大浴場が利用できます。自立がまだ難しい方にも、介助つきで入浴できるお風呂が備えられています。カマチグループの入浴は週3回。全国平均は週2回なので、 ここでのバスタイムはよいリフレッシュタイムになりそうです。
web_tenbouyokujou2▲7階にある展望大浴場。まるでホテルのような素敵なお風呂でした。

 

kaigoohuro2▲浴槽をまたぐなどの動作ができないうちは、小型介護浴槽でお湯につかれます。

 

屋上には、散歩や家庭菜園などが楽しめるガーデンがあります。なんとこれも、リハビリテーションのひとつ。歩行訓練や階段昇降訓練、手先のリハビリテーションなどを行うことができるそうです。
garden▲7階の屋上ガーデン。お天気がよい日は気持ちがよさそうです。

 

お食事は病室ではなく、各フロアにあるデイルームで皆さんと食事を楽しむスタイルです。病室からデイルームへ移動し、会話を楽しみながら食事をする。この一連の動作もリハビリテーションの一環となっています。お食事は、一般食を含め、その方の嚥下機能に合わせた固さの調整食など、5段階で提供されています。
dayroom▲デイルームは、食事をしたりレクリエーションを行ったり、寛いだりとさまざまな用途に使われています。

 menu2▲展示されていた夕食(一般食)の一例。ご飯、サバの味噌煮、筍とがんもの炊き合わせ、白菜の甘酢和え、果物。

 

3階のシミュレーションルームは、自宅を想定した日常生活動作を訓練するためのお部屋です。いざ自宅に帰ったときにどんな動作が必要なのか、入院中から練習しておくことが大変重要とのことでした。車椅子や介護ベッドなどの各種介護用品を試すこともでき、帰宅後の生活をリアルに想像して準備することができます。
kurumaisu2▲取材時に、理学療法士さんが車椅子の使い方を実演してくださいました。やはりコツがあるようです!

 

kaigobed▲介護用品を実際に試すことで、自分に合ったものを選ぶ参考になります。

 

kaigotoillet▲  トイレの補助手すり。安全面を考えると、細かい部分にも補助具が必要なのだと気づかせてくれます。

 

2階には広いリハビリテーション室があり、各種リハビリテーション機器や運動器などを取り揃えています。また、こちらにも日常生活の訓練を行えるADL室が完備されています。さらに、ジョブトレーニングルームという、より仕事に特化した訓練室も設置されていました。面白いと思ったのが、ドライブシミュレーターといわれる運転感覚を取り戻すためのシステムです。まるでゲームセンターのドライビングゲームのよう。本物さながらのハンドルやブレーキ、アクセルで運転訓練を行います。

※ドライブシミュレーターによる訓練は、実際に安全に運転ができると保障するものではありません。自己判断で運転を再開するのではなく、退院後に必ず認定機関での審査が必要となります。認定が降りた場合は、介護保険で介護車を使用することも可能です。
riha2▲全身の有酸素運動と無酸素運動の両方を、安全に行うことができるニューステップ。

 

 

riha3▲体重負荷を軽減させる牽引機付きのトレッドミル(ウォーキングマシン)。牽引機によって転倒防止や脊椎の負担を軽減する効果があります。

 

ADL2▲リハビリテーション室に隣接するADL室です。キッチンや和室での動作確認ができます。

 

 

jobtranning▲より仕事に特化した訓練を行うジョブトレーニングルーム。小さな部品を組み立てる作業や受注作業などが行われています。

 

 

driving▲モニターの映像を見ながら、運転をするドライブシミュレーター。体験させていただきましたが、意外と難しかったです。

 

2〜6階の各フロアにはST室という部屋があります。こちらでは、STつまり言語聴覚士さんによる個別訓練を受けられます。「読む」「聞く」「書く」「話す」といった言語障害や、飲み込み障害(嚥下障害)がある方を対象とした機能回復訓練となります。

 

入院期間中は、医師のほか看護師、介護福祉士、看護補助者、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどの9職の専門家が、患者さんとそのご家族を支えていくチーム医療を実践しています。月に1度は、患者さん、ご家族、医師、看護師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーによる面談を行い、リハビリテーションの進み具合や目標の確認、在宅復帰に向けての話し合いがなされます。

 

そして、一番の注目すべき点は、カマチグループ関東エリアの回復期リハビリテーション病院の在宅復帰率グループ平均が90.5%という高い実績であるということです。(平成28年4月1日〜平成29年3月31日、所沢明生病院・新久喜総合病院を除く)こちらの江東リハビリテーション病院も、スタッフ一丸となって、患者さんのQOL(生活の質)を高め、在宅復帰を目指してスタートを切ったばかりです。

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よい病院の選び方チェックポイント

回復期リハビリテーション病院を選ぶにあたり、チェックするべきポイントを教えていただきました。

□  自分に必要なリハビリテーションが受けられそうか

□  杖や靴などの福祉用具の種類が豊富か

□  リハビリテーションスタッフの数が充足しているか

□  スタッフが親切でやりがいを持って働いているか

□  院内の雰囲気が自分に合っているか

□  毎月の面談に医師も参加するか

□  車椅子での移動が楽か

□  家族が見舞いに来やすい立地か

□  リハビリテーション以外の時間をどう過ごせるのか

□  入院中はどのような生活リズムか

□  在宅復帰率は高いか

□  休日対応は可能か

 

また、巨樹の会副理事であり医師の桑木晋先生によると、「より早い段階でリハビリテーションをはじめて、在宅復帰後のQOL(生活の質)を高めるためにも、急性期病院からリハビリテーション病院への転院をよりスムーズにすべき」とのお話もありました。そのためには、「急性期病院で手術を受けて2〜3日後には、転院の手配ができれば理想」とのこと。手術後に転院するリハビリテーション病院の情報を集めて→見学し→転院を決める、流れではなく、手術前にあらかじめリハビリテーション病院の見学までを済ましておくと、スムーズな転院が叶うとのことです。やはりいざというときのために、制度や病院の情報は事前のリサーチすることが大切なのですね。

 

「特に冬場の脳卒中は重度になることが多い」そう語ってくださったのは、同会の五反田リハビリテーション病院院長の松谷雅生先生。そのため、2月〜5月に脳卒中を発症した患者さんはリハビリテーションの必要度も高いとのことでした。一方、大腿骨骨折は10月〜2月に多発する傾向があるそうです。

 

たとえ病気になってしまったとしても、退院後の生活を前向きに過ごしてもらうためには、やはりリハビリテーションはとても大切と感じました。私たちの親のコト、先のこととは思わずに、ぜひ多くの方に考えてほしいと思います!

江東リハビリテーション病院についてはコチラ

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